スラクマン氏がパンデグランで埋葬、Basarnasは残る7名の捜索を「合同捜索の再開」ではなく「通常業務」として継続すると説明

安全・社会情勢更新更新: 2026年9月25日

9月7日(月)、記者5名と乗組員3名を乗せた高速艇が、噴火を取材するためアナク・クラカタウ付近に向かった後に連絡を絶ちました。合同捜索救助活動は10日間の捜索を経て9月17日に正式終了しており、8名はいずれも発見されていませんでした。9月23日、DNA鑑定により、9月12日にブンクル州エンガノ島で見つかった遺体が乗組員のスラクマン氏(60)と確認され、9月24日午前、遺体はスカルノ・ハッタ空港に到着、パンデグラン県知事のラデン・デウィ・セティアニ氏が出迎え、同日中に家族のもとで埋葬されました。この身元判明を受け、インドネシア写真記者協会(PFI)は、Basarnasと国軍・警察合同のSARチームに対し、捜索再開の再開を正式に要請しました——当局がかつて再開の根拠になるとしていた「新たな手がかり」に該当するという主張です。Basarnasは合同捜索を正式には再開していません。バンテン州SAR支部長のアル・アムラド氏は9月23日、標準の7日間に3日間の延長を加えても残る犠牲者の手がかりはなく、スラクマン氏の発見が自動的に大規模な作戦の再開につながるわけではないと述べました。一方、9月24日にBasarnas長官のモハマド・シャフィイ空軍中将は、作戦が「通常業務に移された」ため捜索は「続いている」と述べています——ブンクルやエンガノ島を含む複数地域での、特定の一点に集中しない通常の監視です。パンデグラン県は、当局と連絡を取り合いながらその判断を尊重するとしつつ、スラクマン氏の漂着地点が海流の推定に役立ち、将来的に残る7名の発見につながることを期待するとしています。スンダ海峡を航行する船舶への注意喚起放送は継続されています。これは空港閉鎖や火山活動そのものを扱う別記事とは異なる、同じ噴火に関連して発生した捜索救助の話です。

経過(時系列)

  1. 9月7日(月)14:00 WIB

    高速艇「Arupadhatu 1」が、バンテン州パンデグラン県チャリタのパゲドンガン桟橋を出発し、噴火中のアナク・クラカタウの取材に向かう。乗船者8名は、記者のM・バグス・コイルンナス氏(アンタラ通信バンテン支局)、アリ・バスキ氏(Merdeka.com)、ユディストロ・プラノト氏(iNews)、フィルマン・ダウス氏(アナドル通信)、ドナル・フスニ氏(フリーランス)、船長ワルタ氏(55)、乗組員スラクマン氏(60)、ガイドのヘリヤント氏(49)。

  2. 9月7日(月)14:42〜18:13 WIB

    コイルンナス氏が14:42 WIBに同僚アバイ氏へ位置情報を共有。15:04 WIBに連絡が途絶える。その後確認できた最後の通信は、ガイドのヘリヤント氏が18:13 WIBに火山付近から送った写真。以降、一切の連絡が取れなくなる。

  3. 9月8日(火)

    一行が戻らないことから、アンタラ通信バンテン支局長のバユ・クンチャヒョ氏がBasarnas(国家捜索救助庁)に行方不明を通報。同日中に捜索救助活動が開始される。

  4. 9月9日(水)〜10日(木)

    捜索は火山周辺の島々やランプン海域まで拡大されるが、Badan Geologi(PVMBG)はスルトゥン島が火口から半径3kmの立入禁止区域内にあるとして直接捜索を制限。海軍は3日目(9月10日)、バンテン州アニェール近郊のチコネン〜ラブアン沖で救命胴衣を1点発見したが、行方不明の船のものかは確認できていない。

  5. 9月11日(金)

    Basarnas長官のM・シャフィイ空軍中将が、捜索活動を計7日間(9月14日〈月〉まで)実施すると発表。海軍艦艇(KRI Lepu)、複数のSAR船、ダウフィンAS365 N3+型ヘリコプター、地元漁師も動員し、捜索範囲は2,109平方海里に拡大。7日目にはPVMBG・BMKG・医療関係者を交えた正式な評価会議を開き、継続の可否を判断するとした。

  6. 9月12日(土)

    5日目に入っても成果なし。行方不明となった記者の一人の父親が、捜索指揮所でプラボウォ・スビアント大統領の現地訪問を望むと語る。

  7. 9月12日(土)〜14日(月)

    はるか西方、ブンクル州北ブンクル県エンガノ島クハヤプ村サワン・ベンコックの海岸で、9月12日、ブンクルのSAR隊員と住民が身元不明の男性の遺体を発見。9月14日、検視のためスシ・エアの航空機でブンクル市へ搬送された。バンテン州警察広報部長のマルリ・フタペア上級警視は、遺体は男性・身長約165cm・推定50歳以上で顔面に損傷があるとし、家族の生前(アンテモーテム)DNAデータをブンクル州警察のDVI(災害犠牲者身元確認)チームに渡して照合中だと説明した。

  8. 9月13日(日)

    6日目、合同SARチームがアナク・クラカタウ周辺海域でジェリカン・ブルーシート2枚・救命胴衣を回収。確認の結果、「Milles.II」の刻印がある橙色の救命胴衣2点は、当該船の装備(赤・黄・紫色で該当の刻印なし)とは一致しないことが判明——海軍の発見物同様、行方の手がかりとしては確定に至らなかった。

  9. 9月14日(月)

    7日目。Basarnasバンテン支部は捜索をさらに拡大し、艦艇18隻・ヘリコプター1機を投入、海域6セクター・空域1セクター、合計6,649平方海里(海上4,586・空域2,063)を捜索範囲としている——最多の11隻は、以前に漂流物が発見されたセクターに集中配置。作戦担当専門家のランガ・アリボウォ氏は、延長には行方不明者本人・所持品の新たな手がかり、または漂流物の目撃情報が必要であり、それらがなければ完全終了ではなく「siaga(待機)」状態に移行する可能性があるとしている——待機状態であれば、後に新たな手がかりが見つかった場合に再開できる。実際には、正式な打ち切りのないまま7日目を超えて捜索が続いた。

  10. 9月15日(火)

    8日目、成果なし。セクターC(パナイタン島北東からアナク・クラカタウ沿岸に至る海域)では、SNS上で流れていた「船を目撃した」との情報を確認するため、SARチームがシーリーダーを投入し、火山の海岸からわずか約500mの距離までドローンを飛ばした。バンテン州SAR支部長アル・アムラド氏は、この情報は裏付けが取れなかったと確認(「結果はやはりnil(ゼロ)だった」)。拡大した捜索範囲のどこからも、Arupadhatu 1号やその乗員の痕跡は見つからなかった。同日夜、バンテン州水上警察の担当者は、エンガノ島の遺体は捜索中の8名のいずれとも確認されておらず、一致する身体的特徴も見つかっていない、DNA鑑定は継続中だと述べた。

  11. 9月16日(水)

    9日目。Basarnasの捜索船、インドネシア海軍艦艇、バンテン州水上警察の船舶など、依然として約20隻が投入されており、捜索範囲はさらに拡大し、火山周辺の既存セクターに加え、ブンクル州エンガノ島周辺やランプン海域も対象に含まれるようになった。数時間にわたる捜索でも新たな手がかりは得られていない。同日夜、バンテン州SAR事務所長のアル・アムラド氏は、DNA鑑定の資料はすべてブンクルへ送付済みで「現在も結果を待っている」と述べた。

  12. 9月17日(木)

    10日目——Basarnasの規定上、標準の7日間の後に認められる3日間の延長の最終日。捜索は最大規模となり、艦船24隻・人員523名が10セクター、8,509平方海里を捜索した。同日夜、パンデグラン県マリナ・チャリタの合同SAR指揮所で、バンテン州のアンドラ・ソニ知事が作戦の正式終了を発表——「もはや効果的ではないため、断腸の思いでこの合同作戦の終了を宣言する」。10日間で漂流物13点が回収されたが、警察水上部隊の確認でいずれもArupadhatu 1号とは結びつかなかった。アル・アムラド氏は、新たな兆候があれば作戦を再開するとし、スンダ海峡を航行する船舶への注意喚起放送は継続、漁民や住民には発見物を最寄りの警察またはBasarnasバンテンに通報するよう呼びかけた。エンガノ島の遺体のDNA鑑定結果はまだ出ていない。

  13. 9月18日(金)

    行方不明者の家族が、記者らの所属メディアの幹部とともに、一行が9月7日に出発したパゲドンガン桟橋で献花(tabur bunga)の儀式を行った。

  14. 9月23日(水)

    バンテン州警察本部(スラン)での記者会見で、ヘンキ本部長(警察中将)が、エンガノ島の遺体について、DNA鑑定(指紋・歯型記録も突き合わせ)の結果、パンデグラン県チャリタ出身の乗組員、スラクマン氏(60、Arupadhatu 1号のABK)であることが確認されたと発表した——「ブンクル州警察チームとの生前(アンテモーテム)・死後(ポストモーテム)データの照合に基づき、遺伝子DNA検査により遺体がスラクマン氏であることが確認された」。9月12日の発見時、エンガノ島の住民は身元を確認できないまま現地で遺体を埋葬しており、その後掘り起こしてDNA鑑定の手続きが進められた。この身元判明を新たな手がかりだとして、インドネシア写真記者協会(PFI)のドゥイ・パンブド会長は、Basarnasと国軍・警察合同SARチームに捜索再開を正式要請した——「この新たな証拠に基づき、PFIはBasarnasおよび国軍・警察合同SARチームに対し、合同SAR作戦を速やかに再開するよう正式に要請し、強く求める」。バンテン州Basarnas支部長のアル・アムラド氏は、正式な再開の予定はなく、スラクマン氏の発見が自動的に大規模な作戦の再開につながるわけではないとし——Basarnasは得られた情報を評価したうえで次の対応を判断し、ランプンSAR事務所は、現場での捜索再開が正当化される場合にSAR任務調整官の指示を待つ——既に規定どおりの手順を尽くしたと説明した——「規定上、捜索は7日間です。7日間のうちに既に3日間延長しました……その3日間の後も犠牲者の手がかりは何もありませんでした」。Basarnasはスンダ海峡・ランプン沿岸で、航行船舶へのE放送や海上安全情報の発信、船舶交通業務・沿岸無線局・漁民との連携を継続している。

  15. 9月24日(木)

    スラクマン氏の遺体は午前8時頃、ブンクルからの便でスカルノ・ハッタ空港に到着。パンデグラン県知事のラデン・デウィ・セティアニ氏がブンクル・バンテン両州警察とともに出迎え、同日中にパンデグランへ運ばれ、家族のもとで埋葬された。パンデグラン県は、Basarnas・国軍・警察と緊密に連絡を取り合い、それぞれの判断を尊重するとしつつ、スラクマン氏が発見された地点が海流の推定に役立ち、いずれ残る乗組員2名・記者5名の発見につながることを期待するとしている。Basarnas長官のモハマド・シャフィイ空軍中将は、「現在も引き続き捜索は行っている」、作戦は「通常業務に移された」ためだと述べた——バンテン・ランプンの特別合同作戦は終了しており、捜索は正式には再開されていないが、Basarnasは、ブンクル周辺海域やエンガノ島を含む複数地域での、特定の一点に集中しない通常の監視として作業を続けているとしている。

要点

  • 本記事は捜索救助に関するもので、空港閉鎖や火山噴火そのものを扱う別記事とは別建てです。出張・渡航状況や火山活動そのものについては、それぞれの記事をご確認ください。
  • 現状:捜索活動は9月17日に終了し、その状態が続いています。8名のうち1名の身元が判明しました——9月23日、DNA鑑定により、9月12日にエンガノ島で見つかった遺体が乗組員のスラクマン氏(60)であることが確認され、9月24日にパンデグランで家族により埋葬されました。残る7名(記者5名・乗組員2名)は依然として行方不明です。
  • 再開の条件:合同捜索は正式には再開されていません。インドネシア写真記者協会(PFI)が身元判明を新たな手がかりだとして正式に捜索再開を要請しましたが、Basarnasはこれに応じていません。バンテン州SAR支部長のアル・アムラド氏は、標準の7日間+3日間の延長を既に尽くしたが残る犠牲者の手がかりはなく、スラクマン氏の発見が自動的に大規模な作戦の再開につながるわけではないとしています。一方、Basarnas長官のモハマド・シャフィイ氏は、ブンクルやエンガノ島を含む複数地域を対象とした通常業務として捜索は続いていると述べています。スンダ海峡を航行する船舶への注意喚起放送は継続されており、何か発見した場合は最寄りの警察またはBasarnasバンテンへの通報が呼びかけられています。
  • スラクマン氏の身元確認の方法:遺体の状態から目視での確認ができなかったため、ブンクル州警察のDVIチームによるDNA鑑定に、指紋・歯型記録との照合を組み合わせて行われました。発見時、エンガノ島の住民は自ら身元を確認できず現地で埋葬しており、その後掘り起こして鑑定が行われました。
  • 行方不明の記者らは、アンタラ通信(インドネシア国営通信社)、Merdeka.com、iNews、トルコのアナドル通信に所属する記者およびフリーランス1名で、AFPなど海外メディアでも報じられている国際的な注目を集める事案です。
  • PVMBG(火山地質災害軽減センター)が設定する火口周辺半径3kmの立入禁止区域が、捜索そのものを難しくしている面があり、少なくとも近隣の1島では直接の捜索が制限されています。
  • 本件に特化した在インドネシア日本国大使館の注意喚起は確認されておらず、行方不明者の中に日本国籍者がいるとの報道もありません。
  • Basarnasは9月14日(7日目)の評価結果を当時は発表しませんでした。その後の同庁関係者の説明では、8〜10日目は標準の7日間の後に規定上認められる3日間の延長にあたり、作戦は10日目の終了をもって打ち切られています。
  • 最終日には、艦船24隻・人員523名が10セクター、8,509平方海里——アナク・クラカタウ周辺の海域だけでなく、ブンクル州エンガノ島やランプン海域まで——を捜索しましたが、船や乗員の手がかりは確認されませんでした。

貴社への実務上の影響

貴社が記者・調査員など、活動中の危険区域に人を送り込む業務を行っている場合、今回の件は、インドネシア当局が定める火口周辺半径3kmの立入禁止区域には相応の理由があり、噴火中の火山付近では海況・通信状況が想定以上に急速に悪化しうることを改めて示す事例です。一般的なオフィス業務を行う企業にとって、コンプライアンスや業務運営上の直接の論点があるわけではありません。これは、他記事で扱っている噴火と直接つながりのある人命に関わる出来事であり、これまで本件の推移を追ってこられた読者の関心にも応えるべく継続的にお伝えしています。8名のうち1名の身元が判明し、埋葬されました。残る7名の合同捜索は再開されていませんが、Basarnasは通常業務として捜索を続けているとしています。正式な再開の発表や新たな発見があれば、本記事を更新します。

出典

本ページは公開情報を整理したものであり、税務・法務・会計に関する助言ではありません。法令は変更されます。リンク先の一次情報をご確認のうえ、実際のご判断の前に弊社までご相談ください。

自社への影響を確認したい方へ

御社の状況をお知らせいただければ、実際に何が適用されるかをご回答します。

お問い合わせ