アナク・クラカタウ沖で行方不明の記者5名を含む8名、9月7日以降捜索続く
9月7日(月)、記者5名と乗組員3名を乗せた高速艇が、噴火を取材するためアナク・クラカタウ付近に向かった後に連絡を絶ち、本日9月14日(捜索開始から7日目)時点で8名全員がまだ見つかっていません。インドネシア国家捜索救助庁(Basarnas)は艦艇・ヘリコプター・数百人規模の人員を投入し、2,100平方海里を超える範囲で捜索を続けていますが、海上で発見された漂流物は、これまでのところ行方不明の船との関連が確認されていません。本日は捜索継続の可否を判断する評価のタイミングとされています。これは空港閉鎖や火山活動そのものを扱う別記事とは異なる、同じ噴火に関連して発生した捜索救助の話です。
経過(時系列)
9月7日(月)14:00 WIB
高速艇「Arupadhatu 1」が、バンテン州パンデグラン県チャリタのパゲドンガン桟橋を出発し、噴火中のアナク・クラカタウの取材に向かう。乗船者8名は、記者のM・バグス・コイルンナス氏(アンタラ通信バンテン支局)、アリ・バスキ氏(Merdeka.com)、ユディストロ・プラノト氏(iNews)、フィルマン・ダウス氏(アナドル通信)、ドナル・フスニ氏(フリーランス)、船長ワルタ氏(55)、乗組員スラクマン氏(60)、ガイドのヘリヤント氏(49)。
9月7日(月)14:42〜18:13 WIB
コイルンナス氏が14:42 WIBに同僚アバイ氏へ位置情報を共有。15:04 WIBに連絡が途絶える。その後確認できた最後の通信は、ガイドのヘリヤント氏が18:13 WIBに火山付近から送った写真。以降、一切の連絡が取れなくなる。
9月8日(火)
一行が戻らないことから、アンタラ通信バンテン支局長のバユ・クンチャヒョ氏がBasarnas(国家捜索救助庁)に行方不明を通報。同日中に捜索救助活動が開始される。
9月9日(水)〜10日(木)
捜索は火山周辺の島々やランプン海域まで拡大されるが、Badan Geologi(PVMBG)はスルトゥン島が火口から半径3kmの立入禁止区域内にあるとして直接捜索を制限。海軍は3日目(9月10日)、バンテン州アニェール近郊のチコネン〜ラブアン沖で救命胴衣を1点発見したが、行方不明の船のものかは確認できていない。
9月11日(金)
Basarnas長官のM・シャフィイ空軍中将が、捜索活動を計7日間(9月14日〈月〉まで)実施すると発表。海軍艦艇(KRI Lepu)、複数のSAR船、ダウフィンAS365 N3+型ヘリコプター、地元漁師も動員し、捜索範囲は2,109平方海里に拡大。7日目にはPVMBG・BMKG・医療関係者を交えた正式な評価会議を開き、継続の可否を判断するとした。
9月12日(土)
5日目に入っても成果なし。行方不明となった記者の一人の父親が、捜索指揮所でプラボウォ・スビアント大統領の現地訪問を望むと語る。
9月13日(日)
6日目、合同SARチームがアナク・クラカタウ周辺海域でジェリカン・ブルーシート2枚・救命胴衣を回収。確認の結果、「Milles.II」の刻印がある橙色の救命胴衣2点は、当該船の装備(赤・黄・紫色で該当の刻印なし)とは一致しないことが判明——海軍の発見物同様、行方の手がかりとしては確定に至らなかった。
9月14日(月・本日)
7日目——予定されていた評価のタイミング。Basarnas・PVMBG・BMKG・医療関係者が会合し、これまでの状況を踏まえて捜索継続の可否を判断する予定だが、本稿執筆時点で結論は報じられていない。なお、アナク・クラカタウ自体は本日も4回の地震を記録し、山頂は濃霧で観測できない状態——火山活動そのものについては別記事(噴火記録)を参照。
要点
- 本記事は捜索救助に関するもので、空港閉鎖や火山噴火そのものを扱う別記事とは別建てです。出張・渡航状況や火山活動そのものについては、それぞれの記事をご確認ください。
- 本稿執筆時点で、記者5名・乗組員3名の計8名は、生存・死亡いずれの確認もされていません。これまでに回収された漂流物(救命胴衣、ブルーシート、ジェリカン)も、当該船「Arupadhatu 1」のものとは確認されていません。
- 行方不明の記者らは、アンタラ通信(インドネシア国営通信社)、Merdeka.com、iNews、トルコのアナドル通信に所属する記者およびフリーランス1名で、AFPなど海外メディアでも報じられている国際的な注目を集める事案です。
- PVMBG(火山地質災害軽減センター)が設定する火口周辺半径3kmの立入禁止区域が、捜索そのものを難しくしている面があり、少なくとも近隣の1島では直接の捜索が制限されています。
- 本件に特化した在インドネシア日本国大使館の注意喚起は確認されておらず、行方不明者の中に日本国籍者がいるとの報道もありません。
貴社への実務上の影響
貴社が記者・調査員など、活動中の危険区域に人を送り込む業務を行っている場合、今回の件は、インドネシア当局が定める火口周辺半径3kmの立入禁止区域には相応の理由があり、噴火中の火山付近では海況・通信状況が想定以上に急速に悪化しうることを改めて示す事例です。一般的なオフィス業務を行う企業にとって、コンプライアンスや業務運営上の直接の論点があるわけではありません。これは、他記事で扱っている噴火と直接つながりのある人命に関わる出来事であり、これまで本件の推移を追ってこられた読者の関心にも応えるべく継続的にお伝えしています。8名の発見、またはBasarnasの捜索状況に変化があれば、本記事を更新します。
出典
- Kompas Regional — Kronologi Lengkap 5 Jurnalis Hilang Kontak Saat Liput Gunung Anak Krakatau (05:16 WIB, 9 September)
- ANTARA News — Basarnas kerahkan 11 kapal cari jurnalis hilang di Anak Krakatau
- Republika — Jurnalis Hilang di Wilayah Anak Krakatau, Pelampung Ditemukan, TNI AL: Belum Tentu Punya Pewarta (19:34 WIB, 10 September; Laksamana Tunggul, TNI AL spokesperson)
- detikNews — Menanti Kabar Baik Jurnalis Hilang saat Liput Anak Krakatau (06:01 WIB, 11 September; helicopter deployment, family statement)
- detikNews — Pencarian Jurnalis Hilang di Anak Krakatau Dioptimalkan hingga Senin Depan (15:48 WIB, 11 September; Marsekal Madya M. Syafii, Basarnas head, on the 7-day window)
- Kompas Regional — Sudah 5 Hari Rombongan Jurnalis Hilang di Anak Krakatau, Ayah Korban: Saya Harap Presiden Prabowo Datang (12 September)
- RCTI+ — Hari Keenam Pencarian 5 Jurnalis Hilang Kontak, Tim SAR Temukan Terpal-Galon di Sekitar Anak Krakatau (13 September)
- AFPBB News — ジャーナリストら8人行方不明 インドネシア火山噴火取材で
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