スアハシル新財務相「正当な還付は必ず支払う」— ただしDJPは「選別的」運用を継続、PMK 28/2026で早期還付の要件も厳格化
税金の還付(restitusi)は、今年インドネシアで事業を行う企業にとって最も目に見える負担の一つとなっており、新財務大臣は9月18日(金)、就任後初の予算執行状況の記者会見でこの問題に言及しました。スアハシル・ナザラ財務相は、企業の権利である還付は「必ず支払われる」と述べ、ビモ・ウィジャヤント国税総局長に対し、還付の管理と、その管理方針についての説明(コミュニケーション)を行うよう指示したと明らかにしました。ただしこれは安心材料であって、方針の変更ではありません。その3日前、ビモ局長は還付処理を「選別的で、より慎重で、より計画的」なものであり、真にコンプライアンスを守っている業種に向けたものだと説明し、複数の企業の還付申請が税務調査中であるとしていました。制度面でも要件は厳しくなっています。5月1日施行のPMK 28/2026により、早期(予備的)VAT還付の上限は1課税期間あたり50億ルピアから10億ルピアに引き下げられ、42億ルピアの課税売上上限も新設、既存の「優良納税者」指定はすべて失効し、再指定の要件も厳格化されました。同じ会見では、8月末時点の財政赤字が240.1兆ルピア(GDP比0.93%)と報告されました。7月に公表された最新の通年見通しはGDP比2.85%で、予算上の2.68%を上回り、法定上限の3%に近づいています。
要点
- 9月18日、財務省でのAPBN KiTa記者会見:スアハシル・ナザラ財務相「企業の権利であるなら、必ず支払われる」。ビモ・ウィジャヤント国税総局長に対し、還付の管理を「我々が行っている還付管理についての説明も含めて」行うよう指示したと述べました。新たな規則や手続きの変更は発表されていません。
- 9月15日、大臣引継ぎ式の後:ビモ局長は、還付は「選別的で、より慎重で、より計画的に、真にコンプライアンスを守っている業種に向けて」処理されていると説明し、複数の企業の還付申請が標準手続きに沿って税務調査中であること、今後の還付は新大臣の方針に従い、開発資金の需要にも配慮しつつ予算の持続可能性を保つ形で行うことを述べました。経営者協会(Apindo)のシンタ・カムダニ会長は、企業の資金繰りへの影響を理由に、両機関に迅速な解決を求めています。
- 規模感(公式発表ではなく報道ベース):9月16日に報じられたインドネシア大学経済経営学部(FEB UI)の調査によれば、2026年8月までに支払われたVAT還付は130.9兆ルピアで、2025年同期の約190〜200兆ルピアを大きく下回っています。
- PMK 28/2026(予備的還付〈pengembalian pendahuluan〉の手続き)——2026年4月29日に当時のプルバヤ財務相が署名、4月30日公布、5月1日施行——は、PMK 39/PMK.03/2018とその3度の改正(117/PMK.03/2019、209/PMK.03/2021、PMK 119/2024)を置き換えるものです。予備的還付は、税務調査ではなく申請内容の「確認(penelitian)」によって判断されます。
- 利用できるのは「一定の要件を満たす納税者」(KUP法第17D条):事業所得のない個人、事業所得のある個人で過払額1億ルピア以下、売上高500億ルピア以下かつ過払額10億ルピア以下の法人、そして課税売上(引渡し)42億ルピア以下かつVAT過払額が1課税期間あたり10億ルピア以下の課税事業者(PKP)。PKPの上限は従来50億ルピアで、課税売上の上限はありませんでした。
- 「優良納税者」(WP kriteria tertentu、KUP法第17C条)の指定:旧規則に基づく指定はすべて2026年5月1日に失効しました。再申請は2026年6月1日〜10日(または通常の年次スケジュール)に受け付けられ、30営業日以内に判断されます。要件は厳格化されています——3期連続で強調事項(説明)区分のない無限定適正意見、誤謬訂正や改ざんによる修正再表示がないこと、監査法人が5年の関与期限内であること、過去3年の税務調査による課税所得(欠損金)の更正が5%以下であること、指定の3か月以上前に発出された資料・説明の提出依頼(SP2DK)に回答済みであること。
- 低リスクPKP(VAT法第9条第4c項)は、輸出、VAT徴収義務者への引渡し、VATが徴収されない供給について、課税期間ごとの予備的VAT還付を引き続き受けられます——ただし、上場企業、国有・地方公営企業またはその50%超出資子会社、税関のMITAまたはAEO認定事業者、自社の生産拠点を持つ製造業者、許可を持つ医薬品卸売業者・医療機器販売業者のいずれかであり、直近12か月のVAT申告を期限内に行い、公開の予備調査(証拠収集調査)や租税犯罪の捜査を受けていないことが条件です。
- 判断期限(申請受理日から):優良納税者は所得税3か月・VAT1か月、第17D条の納税者は個人所得税15営業日・法人所得税とVATは1か月、低リスクPKPは1か月。DJPが期限内に判断しない場合、申請は認容されたものとみなされます。
- 8月31日時点の予算執行状況(9月18日発表):財政赤字240.1兆ルピア(GDP比0.93%)、基礎的財政収支は154兆ルピアの黒字。税収は1,409兆ルピア(目標2,357.7兆ルピアの59.8%、前年同期比24.1%増)。国債等による純資金調達は506兆ルピア(通年計画の60.8%)。最新の通年見通し(7月、プルバヤ前大臣の下で公表)は赤字734.3兆ルピア・GDP比2.85%で、予算上の689.1兆ルピア(2.68%)および法定上限3%と比較されます。
貴社への実務上の影響
財務相の発言は安心材料であって新たなルールではなく、9月18日に還付手続きが変わったわけではありません。資金繰り計画にとって重要なのは、予算を上回るペースの財政赤字と、明確に「選別的」とされる還付運用の組み合わせです——これは、還付申請が「確認」ではなく「税務調査」に回され、SP2DKや税務調査の通知が増えやすい状況を意味します。確認すべき点は4つです。(1)VATの過払いを申告している場合、課税期間ごとにPMK 28/2026の要件に照らしてください。過払額10億ルピア超または課税売上42億ルピア超であれば第17D条の早期還付の対象外となり、低リスクPKPまたは優良納税者に該当しない限り、還付は通常の税務調査を経ることになります(KUP法上、判断まで最長12か月)。(2)5月以前に優良納税者の指定を受けていた場合、再申請して再指定されたかを確認してください。旧指定は引き継がれていません。(3)SP2DKには速やかかつ漏れなく回答してください。課税所得(欠損金)に関する依頼への未回答は、税務調査リスクにとどまらず、優良納税者指定の欠格事由になりました。(4)資金繰り予測では、還付を申告月の入金として扱わず、税務調査のスケジュールに沿って見込み、月次決算の承認者には未収還付金の滞留期間を共有してください。なお、当社は還付の滞留がいつ解消するかの予測は行いません。
出典
- JDIH Kemenkeu — PMK 28 Tahun 2026 tentang Tata Cara Pengembalian Pendahuluan Kelebihan Pembayaran Pajak (primary source; ditetapkan 29 April, diundangkan 30 April, berlaku 1 Mei 2026)
- DJP — Siaran Pers SP-11/2026: PMK Nomor 28 Tahun 2026 Terbit, Perkuat Kepatuhan dan Kepastian Pengembalian Pajak (4 May 2026)
- ANTARA News — Menkeu Suahasil jamin hak restitusi pajak bakal dicairkan (10:26 WIB, 18 September; APBN KiTa press conference)
- ANTARA News — DJP pastikan restitusi pajak dilakukan secara selektif dan terukur (17:26 WIB, 15 September; DG Bimo Wijayanto, Apindo's Shinta Kamdani)
- DDTCNews — Menanti Arah Kebijakan Restitusi Pajak di Era Menkeu Suahasil (16 September)
- RCTI+ / Sindonews — Restitusi Pajak Tertahan Gara-gara APBN Ketat (20:38 WIB, 16 September; FEB UI study figures)
- PajakOnline — PMK 28/2026 Pangkas Batas Restitusi Dipercepat PKP Jadi Rp1 Miliar (previous Rp5 billion ceiling)
- ANTARA News — APBN defisit Rp240,1 triliun per Agustus 2026 (10:12 WIB, 18 September)
- ANTARA News — Penerimaan pajak terhimpun Rp1.409 triliun, tumbuh 24,1 persen (11:01 WIB, 18 September)
- ANTARA News — Pemerintah tarik utang Rp506 triliun per Agustus 2026 (11:37 WIB, 18 September)
- ANTARA News — Purbaya proyeksi defisit APBN 2026 melebar jadi 2,85 persen dari PDB (July 2026 full-year outlook)
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